2021年7月20日それぞれの理解の仕方に合わせた話をしよう!
私は、日本話し方センターが所属するアタックスグループで、数年前からアタックスの社員を対象にしたロジカルシンキング研修の講師を務めています。
この講師を務めていて発見したことがあります。
それは、人の理解力にはクセや個性がある、ということです。
理解力という言葉は、理解力がある、理解力がないという風に使うことが多いですね。
つまり、私たちは、理解力がある人はすべてにおいて理解する力が高く、理解力に乏しい人は、すべてにおいて理解するのに時間がかかる、と考えがちです。
しかし、ロジカルシンキング研修をしていて、そうではないな、と思いました。
それは、ある演習をした時でした。
何かを主張する際には、なぜそれを主張するのかという論拠をきちんと言う必要があります。
その論拠が語られていないことがあるので注意しましょう、ということを伝え、その理解を助けるために、下のような演習を設けました。
「従業員の満足度を高めるために、社員食堂のメニューをより充実させるべきです。
また、執務室の温度は25°に保つべきです。
さらに、一人ひとりのスキル向上のために、研修受講費用の一部を会社負担にすべきです。
以上が私の提言です。」
この中で、論拠が述べられていない主張はどれでしょう、という演習です。
比較的多くの人が答えられる演習でしたが、中には答えられない人もいました。
その人は、他の演習では正解を答えることが多く、私が、理解力が高いと思っている人でした。
しかし、上の演習では多くの人が答えられた中で、その人はついに自分で答えを見つけることができませんでした。
正解を伝えてもまだよくわからない、という表情でした。
私はこれはどういうことか、すぐには理解できませんでした。
しかし、その後、人の理解力にも個性がある、あることは理解できても同等レベルの他のことは理解できないということがある、ということに思い至りました。
人には思考のクセがある、ということです。
そして同時に、人それぞれ、理解の仕方にも個性があるということにも気付きました。
ある説明で理解できる人もいれば、少し違う面から説明した方が理解できるという人もいる、ということです。
それ以来、私は講師として研修で話をしている時、参加者の表情を注意してみるようになりました。
そして、今一つ納得できていない、という表情をしている人がいる場合は言い方を変えてもう一度説明しています。
人の理解の仕方が違うのであれば、講師はそれに合わせて説明すべきです。
なので、私は参加者の理解度を確認する場合、「わかりましたか?」とは言わず「伝わりましたか?」と聞きます。
「わかりましたか?」は、理解する責任は参加者にある、という認識で発していることばです。
一方、「伝わりましたか?」は、講師には参加者に理解してもらう責任がある、という認識に立ったことばだからです。
日本話し方センターの話し方教室では、どの講師も講義の中で例話をたくさんお話しています。
それは、人によって理解の仕方が違う、ということに気付いているからです。
幾つかの例話を話すことで、できるだけ多くの人に理解してもらおうと考えています。
人はどうしても、他の人も自分と同じ理解の仕方をする、と思い込んでしまいます。
私自身もそういう考え方になりがちですので、注意せねば、と思っています。
この講師を務めていて発見したことがあります。
それは、人の理解力にはクセや個性がある、ということです。
理解力という言葉は、理解力がある、理解力がないという風に使うことが多いですね。
つまり、私たちは、理解力がある人はすべてにおいて理解する力が高く、理解力に乏しい人は、すべてにおいて理解するのに時間がかかる、と考えがちです。
しかし、ロジカルシンキング研修をしていて、そうではないな、と思いました。
それは、ある演習をした時でした。
何かを主張する際には、なぜそれを主張するのかという論拠をきちんと言う必要があります。
その論拠が語られていないことがあるので注意しましょう、ということを伝え、その理解を助けるために、下のような演習を設けました。
「従業員の満足度を高めるために、社員食堂のメニューをより充実させるべきです。
また、執務室の温度は25°に保つべきです。
さらに、一人ひとりのスキル向上のために、研修受講費用の一部を会社負担にすべきです。
以上が私の提言です。」
この中で、論拠が述べられていない主張はどれでしょう、という演習です。
比較的多くの人が答えられる演習でしたが、中には答えられない人もいました。
その人は、他の演習では正解を答えることが多く、私が、理解力が高いと思っている人でした。
しかし、上の演習では多くの人が答えられた中で、その人はついに自分で答えを見つけることができませんでした。
正解を伝えてもまだよくわからない、という表情でした。
私はこれはどういうことか、すぐには理解できませんでした。
しかし、その後、人の理解力にも個性がある、あることは理解できても同等レベルの他のことは理解できないということがある、ということに思い至りました。
人には思考のクセがある、ということです。
そして同時に、人それぞれ、理解の仕方にも個性があるということにも気付きました。
ある説明で理解できる人もいれば、少し違う面から説明した方が理解できるという人もいる、ということです。
それ以来、私は講師として研修で話をしている時、参加者の表情を注意してみるようになりました。
そして、今一つ納得できていない、という表情をしている人がいる場合は言い方を変えてもう一度説明しています。
人の理解の仕方が違うのであれば、講師はそれに合わせて説明すべきです。
なので、私は参加者の理解度を確認する場合、「わかりましたか?」とは言わず「伝わりましたか?」と聞きます。
「わかりましたか?」は、理解する責任は参加者にある、という認識で発していることばです。
一方、「伝わりましたか?」は、講師には参加者に理解してもらう責任がある、という認識に立ったことばだからです。
日本話し方センターの話し方教室では、どの講師も講義の中で例話をたくさんお話しています。
それは、人によって理解の仕方が違う、ということに気付いているからです。
幾つかの例話を話すことで、できるだけ多くの人に理解してもらおうと考えています。
人はどうしても、他の人も自分と同じ理解の仕方をする、と思い込んでしまいます。
私自身もそういう考え方になりがちですので、注意せねば、と思っています。